UX KYOTO ブログ

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<レポート>中級編ワークショップ中編 「プロトタイピングを活用したサービス開発」を開催しました!

先週4/2(土)に、UX KYOTO 中級編ワークショップ「構造化シナリオ法・プロトタイピングを活用したサービス開発(全3回)」の中編を開催いたしました。

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今回からは、MTRL KYOTOさんの2階畳部屋を使ってのワーク。
普段の環境と打って変わり、リラックスした雰囲気で今回のワークショップが始まりました。

 

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1. 課題説明

今回のワークショップ課題は、

「京都を訪れる外国人観光客の新しい旅を実現・支援するためのサービスを考える」。

京都旅行の中でこれまでにないうれしい体験ができたり、今までよりも効率がアップしたり…
そんな画期的な製品・システム・サービスを全3回で考えていきます。


前回は、とにかく考え頭と手を動かした1日でしたが、今回はとにかく「かく」。

「かく」にあたり、今回のワークショップのルールとして、
「スケッチを恐れない」という事を言われました。

「絵心がない」「上手くスケッチが出来ない」というのは禁句で、
自分のために「かく」のではなく、
『自分の頭の中のビジョンを人に伝えるために「かく」』という事です。
人に伝われば、図でも物でも何でも良いのです。

何事も「自信がないから...」「上手くないから...」、と躊躇するのではなく、
誰かに何かを伝えるために素早く「かく」というのも大切な行為なのだな、と改めて思いました。


課題説明後は、前編から取り組んできた課題をさらに深掘りすべく、早速ワークショップに突入です。
前回の5つのチームに分かれ、実際に手を動かします。

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2.ストーリーボードの作成

前回作成したアクティビティシナリオを元にストーリーボードを描きます。
A4用紙にポストイットを3枚ずつ貼り、絵コンテを描き進めます。

ここで気をつける事は、ユーザーがスマホやPCを触っている具体的なシーンを描かない事
ポストイット1枚1枚が、ユーザーとサービスが出会うシーン、タッチポイントにならなければいけません。
(例えば「そのサービスとどこで出会ったのか」「そのサービスを利用するために、ユーザーにはどういう経緯があったのか」とか)

ユーザーの行動や体験を理解、考慮して、シナリオから絵コンテへ落とし込みます。
前編で作成したアクティビティシナリオよりも、さらに内容を噛み砕いて細かく絵コンテを作成するのもポイントです。
ワークを進めていく中で、シナリオからの修正点を発見しながら、ストーリーボードを作りこみます。

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3.ワイヤーフレームの作成

次はワイヤーフレームの作成です。
前編で作成したインタラクションシナリオと先ほど作成したストーリーボードを見ながらユーザーの行動や体験に合わせたUXフローで情報設計をします。

なぜUXフローで設計しなければいけないのか。
浅野先生いわく、ユーザーは自分の利用状況しか考えておらず、システムを全て知ろうとも探そうともしません。
自分のやりたい「こと」を達成するために、そのツールの仕様を全部把握する!...なんていうユーザーは稀です。それは我々、開発者の目線になります。
そうではなく、ユーザーの利用状況を知り、その目線で設計や評価をしていきましょう、という考えです。

ワイヤーフレームの作業は、普段の仕事で使っている知識を利用する参加者が多いので、お手の物!
...ですが、ここでは、先ほど作成したストーリーボードと照らし合せながら、
「本当にこのワイヤーフレームで良いのかどうか」「自分がユーザーだったら、このボタンはいらないよね」、などという議論が各チームでなされていました。
(実際私のチームは、当初の予定してた物からブラッシュアップされました。)

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4.遷移図作成と開発者評価

次は遷移図作成と開発者評価です。
先ほど作成したワイヤーフレームをハサミで切り、付箋を使い、
「どのように遷移するのか」「どこを押すとどうなるのか」などを書き込み、
模造紙上に遷移図を作成していきます。

まとめる事によって、「足りないワイヤーフレームは何か」「このワイヤーフレームで本当にユーザーは分かるのか」「この機能は本当にいるのか」という事が見えてきます。


5.プロトタイピングツールへの移植

最後は、プロトタイピングツールへの移植。
今回のツールは、prottを使用します。

 

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東京から来られた産技大の修了生さんからレクチャーを受け、早速取り組みます。

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prottを初めて使用する参加者がほとんどでしたが、
本職の方が多くて、理解するスピードも速いです。

prottのキャッチコピーである「1000の会議より、1つのプロトタイプ。」というのも納得。
アイデアがすぐに形になっていきます。

「これは業務で取り入れていきたい。」と言った声も多く上がり、
分からない事はアシスタントさんに丁寧に教えていただきました。

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6.まとめ

今回はここまで。

今回、先生がされていたお話の中で「UXには向き不向きがあり、UXには答えがない。」というのが印象的でした。
UX向き不向きの簡単な話をすると、
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知らないお店に行く人 = 向いている
馴染みのお店に行く人 = 向いていない
------
との事。
UXは、次のドアを開けたがってどんどん新しい事をする人、つまり答えをどんどん探そうとする人にはぴったりの分野で、
1つもドアを開けたがらない保守的な人には苦手な分野だ、というお話です。

今後UXを学ぶにあたりそういった姿勢を大切にしようと思いました。
とにかく「かく」、そして新しい知識を取り入れた5時間でした。
参加者の皆様、お疲れ様でした!

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終了後はいつも通りの懇親会。
そして桜が咲く良い季節でしたので、円山公園までお花見コース。
普段京都にいると当たり前の風景ですが、東京から来ていたメンバーには新鮮に感じられたようで良かったです!

次回は最終回。朝から夜まで1日みっちりコースです!
皆様、最後までどうぞよろしくお願いいたします。

 

(4/8追記)

今回のワークショップについて、下記の各ブログでもレポートしております。
是非合わせてお読みください!

www.oikaze.jp

suitosha.co.jp

 

▼浅野先生のブログ

UX京都中級編#02ペーパープロトタイピング | 経験デザイン研究所