UX KYOTO ブログ

勉強会のレポートや告知など、UX KYOTOの活動についてお伝えします。

〈プチ復習&予習〉中級編ワークショップ中編「ペーパープロトタイピング」に向けて

現在開催中の、UX KYOTO中級編ワークショップ「構造化シナリオ法・プロトタイピングを活用したサービス開発(全3回)」。
※受付は終了いたしました。


3/5(土)に開催された前編では、「構造化シナリオ法」を学びました。
次回、4/2(土)開催の中編のテーマは「ペーパープロトタイピング」。
前編で作った構造化シナリオを、ついに具体的な形へと移行していきます。

中編は前編で行った作業を、より深めていく内容となりますので、
ぜひ前回の内容をしっかり復習されることをおすすめします。
もしわからないことがあった場合には、お気軽にご質問くださいね!


簡単に復習:前回作った3つのシナリオについて
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というわけで、簡単に前回の復習をしておきましょう。

前回作ったものは以下の3つでした。
それぞれどんなものだったか覚えていらっしゃいますか?

・バリューシナリオ
ユーザーにとっての価値と、ビジネスにとっての価値を整理し、明確にしたシート。
これで、双方の価値を満たすシナリオを考えました。

・アクティビティシナリオ
ペルソナがそのサービスを使う1シーンを記したシート。
ユーザーの行動の流れを想像し、具体的なインタラクション用語を一切使わずに書いたシナリオです。
モノではなく、コトに着目したシナリオと言えます。

・インタラクションシナリオ
実装についてのアイデアをまとめたシート。
アクティビティシナリオから見えてきた、ユーザーの欲求を叶えるタスクを、具体的な「操作」に落とし込んだシナリオです。

今回の宿題は、ペルソナの見直しとバリューシナリオの清書です。
自分たちのチームが担当するペルソナはどんな人物だったか今一度向き合い、その上でバリューシナリオを完成させてください。


少しだけ予習:ペーパープロトタイピングって何?

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せっかくなので、ここで少しだけ予習もしておきましょう。
そもそも「プロトタイピング」って何でしょうか?

デジタル大辞泉で「プロトタイプ」を引くと、
1.原型。基本形。手本。模範。
2.製品などの試作モデルのこと。
と書かれています。


その言葉を借りると、つまりペーパープロトタイピングとは、
「紙で“試作モデル”を作る」
ということ。

それはどのようにやるのでしょうか?
そもそもなぜ紙で作るのでしょうか?
紙で作ったあとはどうするのでしょうか?
…そういった疑問はぜひWSで解決を!


中編ではチームで実際に手を動かしながら、サービスを形作っていきます。
ぜひ、4/2の中編もお楽しみください!

<レポート>中級編ワークショップ前編 「構造化シナリオ法」を開催しました!

先週の3/5(土)に、UX KYOTO 中級編ワークショップ「構造化シナリオ法・プロトタイピングを活用したサービス開発(全3回)」の前編を開催いたしました。
  

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会場のMTRL KYOTOは、昨年12月にできたばかりのドロップイン型クリエイティブラウンジ。

デスクワークやミーティングはもちろんのこと、工作やイベントなども行える、まさにマルチなクリエイティブスペースです。

モダンな内装と、日当たりの良い解放的な空間の中、今回のワークショップが始まりました。


1. 講義と課題説明

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前編のテーマは「構造化シナリオ法」。
まずは、浅野先生による講義にて「UXとは何か」をみんなで復習します。

講義を聞いて改めて思ったのは、「UXはあらゆる事象に適用できる」ということ。
UX
とは「モノ」ではなく「コト」、つまりサービスについて考える手法なので、どんな業種にも必要不可欠なことです。

仕事の間だけでなく、普段の生活の中でも、UXを意識してみるとたくさんの発見がありそうですね。
浅野先生は旅行に行くと、その国の券売機をついつい観察してしまうそう。
私も、日々の中でユーザーとしてUXを意識し考える癖をつけてみよう、と思いました。



さて、講義後はワークショップに突入です。

5つのチームにわかれ、実際に手を動かしていきます。



今回先生から与えられた課題は

「京都を訪れる外国人観光客の新しい旅を実現・支援するためのサービスを考える」。

京都旅行の中でこれまでにないうれしい体験ができたり、今までよりも効率がアップしたり…
そんな画期的な製品・システム・サービスを考えます。



浅野先生が用意してくださったのは3つのペルソナ。

異なる趣味・嗜好・目的をもった外国人観光客ペルソナが、各チームに振り分けられました。


2. バリューシナリオの作成

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まずはバリューシナリオを作っていきます。


ユーザーにとっての価値(ユーザーが嬉しいこと)と、ビジネスにとっての価値(企業が嬉しいこと)を整理したシートを用いながら、それぞれを満たすようなシナリオを考えていきます。
これは今後つくっていくサービスの基本となる、とても大事な作業。
だからこそ非常に難しく、チーム内であれこれディスカッションしながらみんなで頭をひねりました。

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「ワークショップで大事なのは、とにかく完成させること!」
という浅野先生の言葉に、頭だけでなく必死で手も動かしていきます。 



3. アクティビティシナリオの作成
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次は、このバリューシナリオを元に、アクティビティシナリオを作成。
ペルソナがそのサービスを使う1シーンを書いていきます。

ユーザーの具体的な動きを想像しながら書いていくのですが、ここで気をつけるのは、具体的なインタラクション用語を一切使わないこと(例えば「クリックする」とか「アプリを立ち上げる」とか)。
つまり、モノではなくコトに着目したシナリオです。
誰にでもわかる(浅野先生いわく「例えおばあちゃんが読んだとしても理解できる」)言葉を使うことで、モノに依存しない、ユーザーの本質的な欲求を明確にすることができます。

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簡単なようで非常に難しいこの作業。
普段無意識のうちに使っているインタラクション用語を、「一体それは何の欲求の結果として出てきているのか?」から考えなくてはいけません。
それをひとつひとつ解剖していくうちに、ユーザーの欲求がクリアに浮かび上がります。

それができたら、ユーザーの動きをタスクとして整理します。



4. インタラクションシナリオの作成

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次は、インタラクションシナリオの作成です。
アクティビティシナリオで整理した、ユーザーの欲求を叶えるためのタスクを、具体的な「操作」に落とし込みます。
デバイスやソフトなど、実装についてのアイデアをここでまとめていくのです。

ここでやっと、普段の仕事で使っている知識の出番!
チーム内でユーザーの行動を検証していきながら、サービスの外側を作っていきます。


アクティビティシナリオでは、時代に左右されない本質的な欲求が見え、
インタラクションシナリオでは、その欲求を現在の技術で実現する方法が見えてきました。
このふたつのシナリオで、時代の流れに呼応した、本質的なサービスを作っていくんだなと学びました。


5. まとめ

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今回はここまで!
ひとりのペルソナの文脈を読み解き形にしていく内に、時間があっという間に過ぎました。
改めて、「モノ」ではなく「コト」を考える大切さ・難しさを実感した5時間でした。


次回のワークショップは4/2(土)、中編のテーマは「ペーパープロトタイピング」です。
今日つくったシナリオをもとに、プロトタイピングの作業に入ります。
ここからどんなサービスが生まれるのか、とても楽しみです!

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最後にはみんなで懇親会を行いました。ピザとドリンクで乾杯!
あと2回のワークショップ、皆様引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


今回のワークショップについては、下記の各ブログでもレポートしております。
ぜひ合わせてお読みください!

www.oikaze.jp

suitosha.co.jp

 

▼浅野先生のブログ

UX京都中級編#01構造化シナリオ法 | 経験デザイン研究所



【UX中級編ワークショップ】準備レポート

先日18(木)に、UX 中級編ワークショップ「構造化シナリオ法・プロトタイピングを活用したサービス開発(全3回)」の打ち合わせを行ってきました。
今回はその様子をレポートしたいと思います!

 

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打ち合わせは、今回の勉強会の会場となる河原町五条のニュースポット「MTRL KYOTO」。
ロフトワークさんが運営するクリエイター向けコワーキング施設で、
定期的に面白そうなイベントを開催していたり、ファブツールを利用してアイデアを簡単に実現することが出来る、クリエイティブなスペースとなっています。
今回のワークショップにも協賛していただいております!ありがとうございます。

さて、早速ですが、
今回のワークショップがどんな場所で行われるかのご紹介です。

 

 

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まず階段を登ります。
こちら、お馴染みの講師の浅野先生です。

 

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階段を上った...

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その先は...?

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そうです。畳部屋なんです!!

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今回のワークショップは、
2階のTATAMI ROOMとWORK SPACEを利用して行うことになりました。
事前の打ち合わせの際には、
「畳の上ではんなりワークショップ、ですね〜」と盛り上がったとか、そうでないとか。
最大35名の参加者を想定していますので、全チームとは行きませんが、
畳の上でちゃぶ台を囲み、わいわいとワークを進めることになります。

 

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これには、浅野先生もご満悦のよう^^
「京都らしい雰囲気で楽しみながら学べそうだ」とわいわいとした打ち合わせになりました。
ちなみに浅野先生のブログでも今回の打ち合わせの様子を紹介していただいてます。

MTRL KYOTO(マテリアル京都)に行って来た | 経験デザイン研究所

 

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1階の様子はこんな感じ。
日程によっては、こちらのスペースを利用して行う日もありますので、
参加者の皆様には事前に共有させていただきます。

というわけで、このようなスペースで開催することになったUX中級編ワークショップ。
お席の方、残り少なくなってきましたが、まだ余裕がありますので、
興味を持たれたUXの基礎知識をお持ちの方、UXの初級編以上のワークショップ・セミナー等に参加経験のある方のご参加をお待ちしております!

お申し込みはコチラから