UX KYOTO ブログ

勉強会のレポートや告知など、UX KYOTOの活動についてお伝えします。

<イベント告知>ユーザーを知る:インタビュー編を開催します(7/16(土)開催)

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こんにちは。UX KYOTO運営スタッフのクラタです。


今回は、UXワークショップ  「ユーザーを知る:インタビュー編」の開催のご案内です。

本ワークショップは、「ユーザーインタビュースキルを伸ばしたい方」「ユーザーインタビューのコツや秘訣を学びたい方」におすすめします。
また過去に「UX KYOTO」に参加されていた皆様も是非ご参加ください。

 

内容は「ユーザーインタビュー」。講師に奥泉直子さん(『ユーザーインタビューの教科書』著者)をお迎えします。

今回は、UX手法のひとつである“インタビュー”に特化したワークショップを開催いたします。
ユーザーを調査し理解する代表的な手法“インタビュー”ですが、分析・レポーティングまでを視野に入れたインタビュー設計・実査を行うことで、モデレーションのスキルは格段に上がります。
本ワークショップでは、「インタビュー設計を行うとき」や「インタビューを行うとき」に気をつけるべきことやコツを、演習を通じて学びます。

 

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講師:奥泉直子氏(フリーランス 専門:ユーザビリティ/UXリサーチ)

フリーランスのユーザビリティ&UXリサーチスペシャリスト。小樽商科大学卒。中京大学情報科学研究科認 知科学専攻、修士課程通信教育課程修了。世界中からの依頼を受けて、ユーザビリティやUXに関連する調査を国内外にて実施。ユーザビリティテストや専門家評価、インタビューによる利用状況調査、 行動観察や訪問調査、日記調査などに代表されるエスノグラフィ調 など多数の調査経験を有する。著書に『ユーザーインタビューの教科書』(2015,マイナビ)などがある。

マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書 (Mynavi Advanced Library)

マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書 (Mynavi Advanced Library)

  • 作者: 奥泉直子,山崎真湖人,三澤直加,古田一義,伊藤英明
  • 出版社/メーカー: マイナビ出版
  • 発売日: 2015/05/21
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログを見る
 

 

UX KYOTOとは?

UX KYOTOは京都を中心にその周辺の地域も含め、UX/HCDを学ぶゆるやかなコミュニティとして2012年に誕生しました。現在は不定期でUX/HCDの理解を深めるための勉強会(主にワークショップ)を開催しています。その他、Facebookを主なコミュニケーションの場として参加者同士の交流を図っています。

 

イベント概要

イベント名UXワークショップ
「ユーザーを知る:インタビュー編」
スケジュール 2016/07/16(土)13:00-19:00
※WS終了後、18:00-19:00にディスカッションタイム(1ドリンク+軽食付)を設けております。
定員 35名
お早めにお申し込みください。
持ち物 必須:筆記用具、名刺
あると便利なもの:クリップボード
参加費 ¥6,000(税込)
※Peatixを通じて事前にお支払いください。
※18:00-19:00のディスカッションタイムの1ドリンク+軽食料金も含みます。
会場

amu KYOTO
住所:〒600-8345 京都府京都市下京区紅葉町364(京都駅より徒歩12分)
TEL:075-746-4675
MAP:https://goo.gl/maps/9YdsVHrpxKC2
WEBサイト:http://amu-kyoto.tumblr.com/

講師紹介 奥泉直子
専門分野: ユーザビリティ/UXリサーチ

Peatixからお申し込みください

<レポート>中級編ワークショップ後編「体験プロトタイピング」を開催しました!

こんにちは。UX KYOTO運営スタッフの野田です。

4/23(土)に、UX KYOTO 中級編ワークショップ「構造化シナリオ法・プロトタイピングを活用したサービス開発」の後編を開催いたしました。

全3回の本ワークショップもこれで最後。
最終日の後編のテーマは「体験プロトタイピング」です。

前編で作ったシナリオやサービス概要。
そして中編で作ったストーリーボード、ワイヤーフレーム。
前回は、それらをプロトタイピングツール「Prott」に移植するところまで進みました。

後編ではそのProttを使いながら、サービスサファリを実施。
チームで外出し、自分たちがユーザーになって実際にサービスを体験してみながら、
「このサービスってどうなんだろう?」ということを評価します。

そこで得た気づきをもとに、帰ってからサービスをさらにブラッシュアップして、最後には各チームのプレゼン。

…という、朝から夕方までの、1日みっちりフル稼働コースです。



まずはミーティング。

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まずはチームでミーティング。
役割分担(被験者、ディレクター、観察者)と場所、スケジュール等を決めます。
このチームは電車に乗って、出町柳方面に向かうようですね。

f:id:uxkyoto:20160511110951j:plain天気も上々で絶好のサービスサファリ日和。
各チーム、意気揚々出発です。

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私の所属するCチームは京都駅へ。
想定ユーザーの外国人観光客になりきって、京都駅に到着したシーンから始めます。

サービスサファリで確認することは、大きく分けてこの3つ。
・ユーザーがサービスを使うポイント(タッチポイント)はどこか?
・正確な操作ができるのか?
・そのサービスはそもそもイケてるのか?

この3つを意識した上で、サービスサファリスタートです!



サービスサファリスタート!

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まずやってきたのは、外国人向け観光案内所。
ユーザーがサービスと出会うシーンを実際に演じながら、
「マップを手に取る際、どんな気持ちでいるだろう?」
「どんな広告だったら『このアプリ入れてみよう』と思うだろう?」
というようなことも考えます。

被験者役のふたりは京都に初めて来たイスラエル人になりきって、思っていることをどんどん口に出す「発話法」を実施。
それを観察者が映像や音声、メモで記録していきます。

 

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ランチを待つ時間もサファリは続きます。
途中でミーティングを入れながら、実際にやってみての気づき、浮き彫りになった課題、それに対するアイデアなどをメモしていきます。


分析&サービス改善へ。

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持ち帰った課題から、頭をひねって改善案を捻出。
それをもとに、どんどん形を変えていくシナリオ、サービス概要、インターフェイス…。
加えてプレゼン準備もあるので、たっぷりとあった3時間がみるみるなくなっていきます。
チーム一丸となって、がつがつ頭と手を動かし続けます!



各チームのプレゼンへ。

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プレゼンでは「オズの魔法使い」という手法を活用。
ユーザーの演技をする人と、インターフェイスを操作する人に分かれて、サービスがどのようなシーンでどのように使われるのかを発表します。

こうすることで、オーディエンスはユーザーの行動を文脈的に理解でき、
「ああ、こういうふうにこのサービスは使われるのか」
と、生活の中にそのサービスが存在しているところを具体的にイメージできるのです。

 

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皆さん名演技!

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後編は、成安造形大学の情報デザイン研究会の皆さんに各チームに参加していただき、チーム間のやりとりやサービス内容・仕様の変遷などを観察していただきました。
チームの中にいるとつい熱くなって主観的になりがちですが、こうして外から冷静に見てくれる存在がいると、いろいろと気づかされることが多いです。


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各チームのプレゼンの最後は、浅野先生の講評で締めくくられます。

・「ユーザーの欲求の本質」についてちゃんと考えられているか?
・サービスが足し算になっていて、開発者の自己満足になっていないか?

それらを最後まできちんと考え抜くことが何より大事なんだな、
ということを学びました。


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各チームのプレゼン、アイデアがいっぱいでとてもおもしろかったです。
皆さん、本当にお疲れ様でした!


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懇親会は最終日ということもあって大盛り上がり。
楽しんでいただけたようで何よりです!


全3回のワークショップ、皆様いかがでしたでしょうか?
UX中級者向けのワークショップやセミナーはなかなかないので、皆さんのスキルアップに繋がるきっかけになれていたら幸いです。


最後になりましたが、浅野先生、アシスタントの皆様、会場のMTRL KYOTO様、そしてご参加いただいた受講生の皆様、拙い運営にも関わらず温かく見守っていただき、本当にありがとうございました!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

UX KYOTO運営スタッフ・野田(@株式会社翠灯舎


追記:
今回のワークショップについて、下記の各ブログでもレポートしております。
是非合わせてお読みください!

▼浅野先生

UX京都中級編#03体験プロトタイピング | 経験デザイン研究所


▼運営スタッフ・蔵多さん(@株式会社おいかぜ

【UX勉強会レポート】体験プロトタイピングを学びました株式会社おいかぜ | 株式会社おいかぜ

 

<レポート>中級編ワークショップ中編 「プロトタイピングを活用したサービス開発」を開催しました!

先週4/2(土)に、UX KYOTO 中級編ワークショップ「構造化シナリオ法・プロトタイピングを活用したサービス開発(全3回)」の中編を開催いたしました。

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今回からは、MTRL KYOTOさんの2階畳部屋を使ってのワーク。
普段の環境と打って変わり、リラックスした雰囲気で今回のワークショップが始まりました。

 

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1. 課題説明

今回のワークショップ課題は、

「京都を訪れる外国人観光客の新しい旅を実現・支援するためのサービスを考える」。

京都旅行の中でこれまでにないうれしい体験ができたり、今までよりも効率がアップしたり…
そんな画期的な製品・システム・サービスを全3回で考えていきます。


前回は、とにかく考え頭と手を動かした1日でしたが、今回はとにかく「かく」。

「かく」にあたり、今回のワークショップのルールとして、
「スケッチを恐れない」という事を言われました。

「絵心がない」「上手くスケッチが出来ない」というのは禁句で、
自分のために「かく」のではなく、
『自分の頭の中のビジョンを人に伝えるために「かく」』という事です。
人に伝われば、図でも物でも何でも良いのです。

何事も「自信がないから...」「上手くないから...」、と躊躇するのではなく、
誰かに何かを伝えるために素早く「かく」というのも大切な行為なのだな、と改めて思いました。


課題説明後は、前編から取り組んできた課題をさらに深掘りすべく、早速ワークショップに突入です。
前回の5つのチームに分かれ、実際に手を動かします。

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2.ストーリーボードの作成

前回作成したアクティビティシナリオを元にストーリーボードを描きます。
A4用紙にポストイットを3枚ずつ貼り、絵コンテを描き進めます。

ここで気をつける事は、ユーザーがスマホやPCを触っている具体的なシーンを描かない事
ポストイット1枚1枚が、ユーザーとサービスが出会うシーン、タッチポイントにならなければいけません。
(例えば「そのサービスとどこで出会ったのか」「そのサービスを利用するために、ユーザーにはどういう経緯があったのか」とか)

ユーザーの行動や体験を理解、考慮して、シナリオから絵コンテへ落とし込みます。
前編で作成したアクティビティシナリオよりも、さらに内容を噛み砕いて細かく絵コンテを作成するのもポイントです。
ワークを進めていく中で、シナリオからの修正点を発見しながら、ストーリーボードを作りこみます。

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3.ワイヤーフレームの作成

次はワイヤーフレームの作成です。
前編で作成したインタラクションシナリオと先ほど作成したストーリーボードを見ながらユーザーの行動や体験に合わせたUXフローで情報設計をします。

なぜUXフローで設計しなければいけないのか。
浅野先生いわく、ユーザーは自分の利用状況しか考えておらず、システムを全て知ろうとも探そうともしません。
自分のやりたい「こと」を達成するために、そのツールの仕様を全部把握する!...なんていうユーザーは稀です。それは我々、開発者の目線になります。
そうではなく、ユーザーの利用状況を知り、その目線で設計や評価をしていきましょう、という考えです。

ワイヤーフレームの作業は、普段の仕事で使っている知識を利用する参加者が多いので、お手の物!
...ですが、ここでは、先ほど作成したストーリーボードと照らし合せながら、
「本当にこのワイヤーフレームで良いのかどうか」「自分がユーザーだったら、このボタンはいらないよね」、などという議論が各チームでなされていました。
(実際私のチームは、当初の予定してた物からブラッシュアップされました。)

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4.遷移図作成と開発者評価

次は遷移図作成と開発者評価です。
先ほど作成したワイヤーフレームをハサミで切り、付箋を使い、
「どのように遷移するのか」「どこを押すとどうなるのか」などを書き込み、
模造紙上に遷移図を作成していきます。

まとめる事によって、「足りないワイヤーフレームは何か」「このワイヤーフレームで本当にユーザーは分かるのか」「この機能は本当にいるのか」という事が見えてきます。


5.プロトタイピングツールへの移植

最後は、プロトタイピングツールへの移植。
今回のツールは、prottを使用します。

 

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東京から来られた産技大の修了生さんからレクチャーを受け、早速取り組みます。

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prottを初めて使用する参加者がほとんどでしたが、
本職の方が多くて、理解するスピードも速いです。

prottのキャッチコピーである「1000の会議より、1つのプロトタイプ。」というのも納得。
アイデアがすぐに形になっていきます。

「これは業務で取り入れていきたい。」と言った声も多く上がり、
分からない事はアシスタントさんに丁寧に教えていただきました。

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6.まとめ

今回はここまで。

今回、先生がされていたお話の中で「UXには向き不向きがあり、UXには答えがない。」というのが印象的でした。
UX向き不向きの簡単な話をすると、
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知らないお店に行く人 = 向いている
馴染みのお店に行く人 = 向いていない
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との事。
UXは、次のドアを開けたがってどんどん新しい事をする人、つまり答えをどんどん探そうとする人にはぴったりの分野で、
1つもドアを開けたがらない保守的な人には苦手な分野だ、というお話です。

今後UXを学ぶにあたりそういった姿勢を大切にしようと思いました。
とにかく「かく」、そして新しい知識を取り入れた5時間でした。
参加者の皆様、お疲れ様でした!

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終了後はいつも通りの懇親会。
そして桜が咲く良い季節でしたので、円山公園までお花見コース。
普段京都にいると当たり前の風景ですが、東京から来ていたメンバーには新鮮に感じられたようで良かったです!

次回は最終回。朝から夜まで1日みっちりコースです!
皆様、最後までどうぞよろしくお願いいたします。

 

(4/8追記)

今回のワークショップについて、下記の各ブログでもレポートしております。
是非合わせてお読みください!

www.oikaze.jp

suitosha.co.jp

 

▼浅野先生のブログ

UX京都中級編#02ペーパープロトタイピング | 経験デザイン研究所